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三重県最大の大きさを誇る ’引作の大楠’ 

 ■ 大楠の枝 折れる
 引作の大楠。 三重県指定の天然記念物指定。

 この樹は三重県ではもっとも大きい樹です。
 今回はその5本の幹のうちの1本が折れた。
 
 そういう話で 三重県樹木医会にて現地調査を
 行った。

 
折損前 折損後

 ■ まずはご祈祷。
 写真はないが今回 この樹の調査を行う前に 関係者全員が 神主さんのご祈祷を受けた。
 ご神木という事で やはり樹に登ったり 直接手を触れる調査になるので 身を清めて 調査に当った。
 

 ■ 調査開始。 ま近で見るとやはりデカイ。
問題の折れた部分です。 この写真だけでも
相当な大きさであることがわかるでしょう。

実は下にムクノキの大木があり それが
天然の支柱のような役割を果たすようになっていた。
今回の倒壊で ムクノキはその重さを支えることが
できず 根こそぎひっくり返っていた。 
右の写真が折れた根元の部分。
すでに変色している。 つまり これはかなり前から
主幹とは分離していた つまり亀裂が入っていたと言う事。
今回の折れた原因は 根元に亀裂が入り 力学的に
その重さに耐えられなくなった・・・と 単純にはそういう事。
また左の写真の根元の穴からは人が入れるほどの
空洞部分があり その空間は かなり広かった。
水平方向には5m以上あるところもある。
つまり この樹の幹周りを15mとすると 外側の皮一枚
が生きているだけで 中身はまったくないという事になる。
垂直方向には スタッフが5mなのだが それが届かなかった。
写真に写るスタッフの先まで 空洞化していた。

内部の空洞化は 今回折れた支幹まで完全に抜けていた。
つまり 力学的に枝の重さに耐えられなくなった要因には
内部の空洞化も大きく影響していた。
コアの採取により 薄い部分では 3cm程しか厚みがない
事が判明。 
今回の調査で・・・ この樹は1本の樹ではなく 2本以上の合体木なのかな?とちょっと思った。 
折れた枝の輪切り標本もそのうち見る機会もあるだろうから 推定樹齢も もう少し詳しく分かるだろう。


 そういえば NHKが取材に来ていました。
 まぁ僕は主治医でもなんでも無いので 緊張する事も
 ありませんでしたが・・・・・・(笑)



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