松くい虫について・・・・


よく勘違いされている方が居ますが 『マツクイムシ』 と言う害虫自体が存在するわけではありません。
  松を枯らす 本当の原因は
『マツノザイセンチュウ』 という樹木の幹内部に寄生する センチュウなのです。
  このセンチュウを運ぶのが カミキリムシ(マツノマダラカミキリ)です。 このマツノマダラカミキリを
  マツクイムシと勘違いしている人も多いようです。
(ある意味ではそうなのですが・・・)

◆マツノザイセンチュウについて・・・
 このセンチュウは 北アメリカ原産の病気とされ 日本には100年ほど前に伝わってきたと言われています。
 このセンチュウは 松の樹幹内部で大量に発生し 水のとおり道 (仮導管と言います) をふさいでしまい その結果
 松は水が 樹幹内部をめぐらなくなり やがて枯れてしまいます。
 人間で言うと 血管がつまるのと同じような感じと思って間違いではないですね。


 では・・ そのメカニズムについて 詳しく ご説明します。

 まず マツノザイセンチュウ は自分自身では 次の松へと移り住む事はできません。
 では どうするのでしょうか??

 実は このセンチュウを運ぶ役目をするのが 『マツノマダラカミキリ』 なのです。

 センチュウを体内に保持したカミキリムシが健全な松を後食する。 → 後食あとからセンチュウが樹幹内部に移動する。 →
 樹幹内部で増殖し 水の通り道をふさいでしまう。(キャビテーションと言う) → 松は水が樹幹内部へ行き渡らなくなり枯れる。 → 
 カミキリムシは枯れた  又 は 枯れかけた松が大好きなので産卵に来る。 → 
 樹幹内部でカミキリムシが蛹になるとセンチュウはそこへ押し寄せカミキリムシの体内に入り込む。 →
 カミキリムシはそのまま羽化し次の健全な松に後食を繰り返し次の被害樹木を作る。 (以上その繰り返しです。)



◎では どうやって退治するのでしょうか?

実は一旦 松内部で増殖したセンチュウを駆除することはほとんど不可能です。 予防が一番いい方法と言えます。
色々な方法が言われていますが 私が進めている方法は 単純にこのカミキリムシの退治する事です。
伝播さえしなければ 被害が拡大することはありません。
薬剤散布のタイミングは カキキリムシが羽化する時がもっとも効果があります。
ではカミキリムシはいつ羽化するのでしょう??
カミキリムシが羽化する季節は地域により誤差があります。 しかし この誤差にぴったり当てはまる物があります。
それは 
『アジサイの花が咲く時!』 です。 アジサイが咲く季節になるとカミキリムシは羽化し始めます。 
アジサイの花の咲くタイミングを見計らって薬剤散布をしてください。